「コーニエルさん、大丈夫だろうか……。」
アベラード卿は、コーニエルを心配していた。
「きっと大丈夫ですよ!コーニエルさんを信じましょう!!」
「タナカさんは、ポジティブだな。」
「あっ!!コーニエルさんが戻ってきましたよ!」
コーニエルは5分が経ち、ネコの変身が解けていた。
「おいおい、堂々と玄関から出てきてるじゃないか……大丈夫なのか?」
アベラード卿は、ますます不安になった。
「コーニエルさん、どうでしたか?手がかりは掴めましたか?」
「ああ、これを見てくれ。」
コーニエルが手を開くと、一枚の紙幣が現れた。
「これはスブルストの紙幣ですね。」
「ああ、俺が拝借してきたのは一枚だがやつの部屋の金庫には大量のスブルストの紙幣があった。」
「なぜでしょう?って言うか、どうやって金庫を開けたんですか?」
「開けたんじゃなくて、初めから開いたままだったんだよ。」
「……無用心ですね。」
アベラード卿はあきれた。
「おかしくないか?なぜ、大量のスブルストの紙幣を持っているのか調べてみようぜ!」
「はい!調べてみましょう!」
「あっ!!言うの忘れていたが、メイドと執事にネコの変身が解けたところを見られてしまったから、魔法で眠らせてやったんだよ。自然に起きてくるのが2時間後ぐらいだと思うからそれまでに調べないと、ヤバイかもな……。」
「「えーーーー!?」」
3人はコーニエルから伝えられた事実に思わず叫んでしまった。
「どうするんですか!?あと2時間で何を調べれるんですか!?」
アベラード卿は、声を荒らげる。
「まあ落ち着いて!良い考えを思いついたわ!眠っているメイドと執事を縄で縛って、起きてからでも動けないようにすればいいのよ♪」
ハンプトン子爵令嬢は、自信満々に言い放った。
「「なに言ってるんですか!?そんなことしたら、犯罪者になってしまいますよ!!」」
「えー!でも、ネコに変身して人の家へ窓から忍び込むのも犯罪だと思うわよー!」
「確かに……。」
アベラード卿がつぶやく。
「じゃあ、縛っちゃいましょうか!!」
田中さんもハンプトン子爵令嬢の考えに乗った。


家に入ると確かにメイドと執事が眠っていた。
「よーし!ぐるぐる巻きにしてやりましょう!!」
田中さんは、意気込んでいた。
「それなら、ついでにコーニエルさんが見落としているところもあるかもしれないので、私も手がかりになるものを探してみます。」
アベラード卿も結構ノリノリだった。