ただただ、コーニエルはハンプトン子爵令嬢に謝るしかなかった。

「あのー、すいません。取り込み中のところ……。私、ずっと気になってたんですけど、スブルストの国王が操るターゲットをハンプトン子爵令嬢にしたのはなぜなのでしょうか?」

田中さんが素直に自分の疑問を口に出した。

「あっ!それは、私も気になってたのよぉー!私、スブルストの国王とは全く面識がないのにどうしてコーニエルさんに私を操れなんて命令したのぉー?」

「それは、私も思っていました。確かに不思議ですよね……。なんでハンプトン子爵令嬢を操るターゲットに選んだのでしょうか?」

アベラード卿もそのことを疑問に思っていた。

「あっ!そういえば、人を操るにも色々準備がいるんだが、その中でも操るターゲットの持ち物も必要なんだよな。だから、ハンプトン子爵令嬢の持っていた物をどうやって入手したんだろうな?」

「えっ?!それを早く教えなさいよぉー!!私、いつの間に自分の持ち物取られてたのー??っていうか、一体なにを取ったのぉー??」

「えーと、確かイヤリングだったと思うぞ。」

「えー!!私のイヤリング取られてたのぉー!?確かにイヤリングなら、沢山持ってるから一つぐらい失くなっていても気づかないかもしれないわ!!でも、私の家にどうやって忍び込んだのよ!!家には、使用人もいるから防犯もしっかりとしてるわよ。」

「うーん、使用人もいて防犯もしっかりしているんだったら、どうやって侵入したんだろうな?」

「ハンプトン子爵令嬢、失礼ですが使用人は信用できる人なんですか?」

「どういう意味?」

「こんなことを言うのは嫌ですが、使用人がイヤリングを取ったということは考えられませんか?」

「そんな!?だけど、もしそうだとしたら……。今、私の家には使用人が4人いるわ。」

「その4人の中で、怪しそうな人はいませんか?」

「そんな怪しそうな人を雇うわけないじゃない!!」

「そうですよね……。しかし、念のためにその4人のことを調べたいので、面接の時に使われた履歴書をお借りしてもよろしいでしょうか?」

「いいわよ。あとで、家から持ってくるわ。」

こうして、使用人を調査することになった。