ヴェロンバはこの世界に戻ってくるのに魔力を使って疲れてしまい、コーニエルの家で待機することになった。



コーニエルと田中さん、アベラード卿の3人がバートを助けに向かうことになった。



宮廷の門番はアッサリと通してくれた。

そして、部屋まで案内をしてくれた。



そして、部屋に入ると国王がいた。

「コーニエル、結局お前は始末できなかったんだな。私の手をわずらわせやがって……殺れ!」

国王が言い放つと、兵士が剣を抜きコーニエルたちに襲いかかろうとしたその時、



「「ちょっと待ってください!!!」」

アベラード卿が叫んだ。



「私たちを見逃していただけないでしょうか?私たちが魔術師のコーニエルさんに会いに来た理由は、とても単純なのです。

我が国グラスターには魔術師が一人もいないので、ぜひ魔術師を呼んで魔法を使った余興……いわゆる手品のようなことをしていただき、国民たちに楽しんでもらいたい。と我が国の陛下が突然思いつきまして、貴国に魔術師がいると耳にしましたので、お願いしに伺おうとなっただけなのです。

どうか私たちを見逃していただけないでしょうか?」

「なんと!それで、ここまで来たと言うのか!?」

「はい!そうです!

本来は、国王陛下に一番にお伺いをたてるのが筋でしたが、魔術師のコーニエルさんのところへ先に伺い、申し訳ありませんでした。

私たちは、貴国と友好な関係を築き上げたいです!争いはしたくないのです!どうかここは、穏便に済ませていただけないでしょうか?」

アベラード卿は、深々と国王陛下に頭を下げた。

「こら!あなたも頭を下げなさい!」

田中さんも、アベラード卿に頭を押されてしぶしぶ頭を下げた。

「じゃあ、彼女は誰だい?」

「私は……むぐぅ(=`ェ´=)」

アベラード卿が、田中さんの口を手で塞いだ。

「彼女は私の助手ですが、まだ見習いでして何も分からないんですよ。アハハ……。」

「ふーん……そうか。てっきり私は、真相に辿り着いたのかと思ったぞ。」

「えっ!?真相??なんのことですか?」

「あくまでも、とぼける気か?」

「あっ!そういえば、我が国の陛下が今度貴国に訪問したいと申していました。」

「ブハハハハ!!誤魔化すな!」