仲は深まり、二人の間には子供ができた。

可愛い女の子だ。

ミリーと名付けた。

「おー!リリーによく似て可愛いのぉー!!おじいちゃんだよー!(ニコッ)」

「ぎゃーっ!!」

「あらあら。ミリーが泣いちゃったじゃない!あなたの顔が怖かったのねー。

よしよし。あっちへ行きましょうねー。もう、大丈夫だからねー。」

「ぐすんっ。ぐすんっ。」

「ほら。泣き止んできた。やっぱり、おばあちゃんと一緒にいる方が落ち着くのねー。」

ミリーが生まれてからというもの、義父母が家に入り浸っている。

一体、いつになったら帰るんだ。

「リリーは、まだゆっくり休んでいた方がいいからその間は私たちがミリーの面倒を見るわ。」

「でも、お父さんは宮廷での仕事があるんじゃないの?」

「そうなんじゃ。仕事もしないといけないし、孫の世話もしたいし、どうしようか悩んだ末に一つの考えを思いついたんじゃ。

わしの代わりにティム君に宮廷での仕事に行ってもらいたいと思う。」

「はい。分かりました。宮廷での仕事へ行って……って、えーーー!!!?」

ティムの叫びは、家中に響き渡った。

「何言ってるの!?お父さん!!ティムが宮廷へ行くなんて!!」

「なに、大したことないわい。ただ、宮廷で働く簡単な仕事じゃ。」



結局、私は半ば強引に宮廷での仕事へ行くことになってしまった。



その夜。



「ティム、ごめんなさい。

お父さんが無茶なことを言ってしまって…。」

「いいんだよ。すぐに戻ってくるよ。

お義父さんも、半年だけ私に仕事の代理をしてほしいって言ってただけだから。

半年経ったら、絶対ここに戻ってくるよ。

だから、泣かないで。リリー。」

「ぐすん、ぐすん……。絶対戻って来てね。」



こうして、ティムは宮廷へと向かった。

十二度日が昇り沈んで、また日が昇る頃に宮廷へと辿り着いた。

門番への挨拶も済まし、宮廷へと入っていった。



「いやー、またここに来ることになるとはな…思いもしなかったよ。

絶対、知り合いに会うだろ。嫌だなぁー。会いたくねーよ。」

「おい!そこの君、なに一人でぶつぶつ呟いているんだい?」

振り返るとそこには、見知った人がいた。

「叔父さん…。」

「えっ!?もしかして、ティム君かい?」

「はい、そうです。今日から、お義父さんの代わりに宮廷で半年だけ仕事をさせてもらうことになったんです。」

「そうなのかい!?なんでまた、そんなことになったんだい??」

「実は、私と妻の間につい最近、娘が生まれまして、それはとても喜ばしいことなのですが、お義父さんが待望の孫の世話をしたいということで、代わりに私がお義父さんの仕事をすることになったのです。」

「それは、大変だね…。」

「叔父さんも、徴税長官の仕事の方はどうですか?」

「まあ、相変わらずやることが多くて忙しいよ。」

「そうですか。大変ですね。頑張ってください。」