私たちは、できた商品を知り合いに勧めることにした。

「ねえ。パーティーを開きましょうよ!

そこで、この商品を宣伝するのよ!良いアイディアだと思わない?」

「そうだね。すごく良いと思うよ!

よし!そうと決まったら、さっそくパーティーの準備をしよう!!」

こうして、パーティーを開くことになった。



リリーは、招待状を書いた。

ティムは、パーティー会場のセッティングをした。

そして、当日。





「皆様、本日はお忙しい中、お越しいただきまして誠にありがとうございます!

是非、楽しんでいってください!」



テーブルには色とりどりの料理を並べてある。その中に、玉ねぎスープの素で作った、玉ねぎスープも並べている。

「このパスタ美味しいわ。」

「ありがとうございます!シェフが腕によりをかけて作りました。

ところで、こちらの玉ねぎスープは、いかがでしたか?」

「ええ。玉ねぎスープも、美味しかったわ。」

「ありがとうございます!実はこちらの玉ねぎスープは、私どもの領地で採れました玉ねぎを使っていまして、パーシャム食品さんの方で加工して味付けしていただき、お湯を注いだだけで簡単に玉ねぎスープを作れるようになっているのです。」

「そうなのね!それは、また面白いものを作ったわね。」

「はい!この玉ねぎスープの素は、賞味期限が9ヶ月です。なので、保存にも適しているので早めに使いきらなくてもいいのです。

しかも、玉ねぎにはポリフェノールの一種のケルセチンが含まれておりまして、抗酸化作用があり、肌荒れやシミやシワの予防効果があると言われています。」

「そうなのね。今、商品は手元にあるの?もしあるのなら、欲しいわ!」

「はい!ありがとうございます!

お土産にいくつかご用意しますので、知り合いの方にも広めていただけたら嬉しいです。」

「分かったわ。知り合いにも勧めてみるわ。」

「ありがとうございます!是非、お願いいたします。」

やったー!!

なんとか、玉ねぎスープを宣伝することができたぞ!!

ティムは一人目の人に手応えを感じたので、次々にパーティーに来てくれた人に声をかけた。

リリーも、ティムに負けじと来てくれた沢山の人に宣伝をした。





パーティーに来てくれた人たちから後日、手紙が届いた。

そこには、また玉ねぎスープの素が欲しいので、定期的に買い取りたいと書かれていた。

「やったわね!定期的に買い取ってくれるなんて!!

パーティーを開いて、玉ねぎスープの素を宣伝した甲斐があったわね!!」

「ああ!成功して良かったな!!」

「これも、ティムが一生懸命にパーティーに来てくれた人たちに宣伝してくれたお陰よ!それだけじゃないわ!!

ティムが玉ねぎの成分について調べてくれたり、隣町まで行って玉ねぎを売りに行ったり、協力してくれたからここまでできたのよ。

私一人じゃできなかったわ。感謝してるわ。ありがとう!

だけど、どうしてここまでしてくれるの?」

ティムは、困った顔をしていた。

少し考えてから、言葉を出した。

「………最初は、お金が稼げたらもうちょっと良い暮らしができるかな?って言う、よこしまな気持ちで提案してみただけだったんだ……。

だけど、私が隣町に行って玉ねぎを売ろうと提案したが、玉ねぎが全く売れなかったのにも関わらず、リリーは私を責めることもせず、慰めてくれた。

それが嬉しかったんだ。

王子の時はミスは許されるものじゃなかったんだ。だから、リリーにも怒られるものだと思っていた。今まで私は、第一王子として暮らしてきて、寂しかったんだ。

周りには、従者はいたが信頼できる仲間はいなかった。

そう思い込んでいたんだ。

本当は、自分が周りに心を開いていなかっただけなのかもしれないと、今は後悔しているんだ。

だから、リリーには心を開きたいと思っている。

少しでもリリーの力になればと思ってやったことだよ。」

「ティムがそんなことを考えていたなんて思わなかったわ。ありがとう!!

私も最初は、ティムが婚約破棄騒動を起こしてるのを噂で聞いていたから、きっと自分のことしか考えない傲慢な人なんだと思っていたわ。

だけど、ティムに会ってみて一目惚れしてしまったのよ。なんて、格好いいの!!って思ったわ。

この機会を逃したら、絶対ダメだと思ったの。

だから、ティムと結婚できたらそれでいい。私を愛してくれなくてもいいと思ってたの。

だけど、そんなこと考えなくて良かったのね。あなたは、私を愛する努力をしてくれているから。

だから、私もティムのことを本当に愛する努力をするわ!」



二人とも本当の自分の考えを言うことができて、仲が深まった。

良い夫婦になれそうだ。