「私に特別な能力がある訳ないじゃないですかー!」

「そうとも言えんぞ。君はこの世界に来てから、何か帰れる方法がないかとか不思議な力が使えないかとか色々試したりしたのかい?」

「特にしてないですが、毎日、元の世界に帰りたいと寝る前に願ってました。」

「……君は一年間、この世界でなにやってたんだ。そんな受け身じゃ何も変わらんだろう……。」

「だ…だけど、勇気を出してこうして今、打ち明けたんだからいいじゃないですか!」

「まあね……。では、その勇気を讃えて私が力を貸してあげよう。」

「えっ!?本当ですか!!」

「ああ。書庫室に行ってみると良い。」

「えっ?」

「書庫室には色んな沢山の書物があるから、その書物の中にはもしかしたら元の世界に帰れる手がかりがあるかもしれないぞ。」









【書庫室】

「うわー。思ったよりいっぱい本がある。こんなんじゃ、どこに何があるか分からないよ……。」

「何を探してるの?」

「わっ!?あなたは?」

「私は書庫係です。どんな本を探してるの?」

「えっと、私は魔法関係の本とか、実際にあった不思議な現象とか書かれてる本を探しています。そんな本ありますか?」

「それならあるよ。今、取ってくるね。」

「ありがとうございます!」