国王は、困惑していた。

「魔術師は現れないが、"にほん"と言う自分達が住んでいる世界とは違う所から来た人が現れただと……??」

「はい。今、連れて参ります。」



一人の若い女性が現れた。

「君の話は本当かい?」

「……本当です。」

「いつからこの国に来たんだい?」

「一年前からです。」

「一年も前から……何で今まで黙っていたんだい?」

「言ったとしても信じてもらえないと思ったからです。」

「じゃあ、何で人事部の人に喋ったんだい?」

「初めは打ち明けるつもりはありませんでしたが、人事部の人と話している途中で、なにか自分の中でプチンときて、開き直って喋ってしまったんです。」

「打ち明けてくれて、ありがとう。

それで、君は不思議な力とか魔法とか使えないのかい?」

「!!?」

彼女が急に怒り出した。

「そんなの使えたら、とっくの昔に日本に帰ってますよ!!!」

「じゃあ、何ができるんだい?」

「私は別に日本から来たからと言って、特別なことができる訳ではありません!」

「まだ自分の能力に気づいてないだけじゃないのかい?」

「え!?」