「ティム様ーーー!!いやー、心配しましたよ!でも、ご無事で良かったです!」

「ご無事で良かったです!じゃないだろ!宿場の人たちの機転がなかったら、私は盗賊に殺されていたぞ!!」

「やだなぁーー。もう!そんなにカリカリしないでくださいよー。

助かったんだから良いじゃないですか。」

「そういう問題じゃないだろ!!

普通だったら、自分は護衛なのに助けることができなくて、すいませんでした。とか、危険な目にあわせてしまって、すいませんでした。とか、何か謝ることがあるだろ!!」

「えー、だって9人もいたら、さすがの僕でも倒せないですよ!

もう、あのときはどう逃げようか必死に考えていました。

だから、ティム様を助けようという気にもならなかったです。

護衛を1人しかつけなかったティム様が悪いんじゃないですかー。」

「嘘でも、私を助けようと思ってたと言え。そして、謝れ。」

「ティム様を命をかけて助けようとしましたが、力及ばず助けることができずに申し訳ありませんでした。」

「手、出してみ。」

ティムは、護衛と握手をした。

(ティム様のバカ、アホ、デベソ。やーい、やーい!)

「……( :゜皿゜)」

ティムの怒りは頂点に達した。

このあと、護衛がどうなったのかは、みなさんのご想像にお任せいたします。









ティムは気を取り直して、宿場の人たちと話をすることにした。

「でも、よく玉ねぎをぶつけて盗賊を退治することを思いつきましたね。」

「えっ!?……そっそれは、たまたま思いついただけですじゃ……。」

「そうですか。」

実は、たまたま思いついたのではなかった。

ティムが儀典官の代理で宮廷へ行くときに、玉ねぎと玉ねぎスープの素を宿場の人たちに配った。

宿場の人たちも、玉ねぎと玉ねぎスープの素を貰って喜んだ。

そして、今度はティムが王を毒殺しようとしたとして捕まったので、その疑いを晴らそうとティムのお義父さんが宮廷へ行くときにも、玉ねぎと玉ねぎスープの素を宿場の人たちに配った。

さらに今度は、ティムのお義母さんが夫のことを心配して宮廷へ行った。

そのときにも、また玉ねぎと玉ねぎスープの素を宿場の人たちに配った。

正直、もういらなかった。

いらないなぁと思っていたところだったので、玉ねぎを盗賊にぶつけることを思いついた。

玉ねぎも片づけられたし、ティムも助かったので、良しとしよう!

めでたし、めでたし。