ティムは、予定よりも早く家に帰れることになった。

お義父さんが、このまま宮廷で儀典官の仕事をすることになったからだ。

ティムは、儀典官の代理の役目から解放されたのだ。

「やったー!!やっと家に帰れるぞ!!

リリー、ミリー、待っていてくれ!!」

ティムは、意気込んで出発した。









ティムは、馬車に乗って移動している。

もう少しで宿場に着く。

ガタンッ!!

「な、なんだっ!?」

馬車が急に止まったので、ティムは前のめりになってしまった。

急いで外に出てみると、盗賊に取り囲まれていた。

盗賊は刃物をこちらに向けてきている。

ティムの護衛をしてくれる人はいるが、1人しかいない。

あちらは、9人もいる。

数では負けている。

あと、馬車を操っている人もいるが戦力になるか分からない。

「頼む!!命だけはとらないでくれ!!」

ティムは叫んだ。

「残念だがそれはできないなぁ……。

俺達はあんたの首を取ってくるように言われているんだよ。」

「!!」

私の首を狙っているだと!?

一体、誰が??

「誰から頼まれたんだ??」

「そんなの教えるわけねーだろ!!」

盗賊が斬りかかってきた。

ティムは、とっさに腰につけていた剣を引き抜いた。

ガッキーン!!

ティムは、盗賊の剣を弾き飛ばした。

カランカラン。剣は地面に転がっていった。

「クソッ!お前ら、いっせいに斬りかかれ!!」

ティムは斬りかかってくる1人の盗賊に的を絞り、勢いよく地面を蹴りジャンプした。

そして、その盗賊の顔面を踏み台にして飛び越えた。

「何っ!?」

盗賊が唖然としているのを良いことに、ティムは馬と馬車を繋いでいる紐を剣でブッチ斬り、その馬に乗って逃げ出した。

「まっ、待てーーー!!!」

盗賊は、我に帰りティムを追いかけた。