「「ペリゴール侯爵令嬢らしき人物を兄がダラムで見たそうだ!!」」
「「本当!!?」」
ハンプトン子爵令嬢も田中さんも声を上げた。
息が上がりながら、アベラード卿は話をする。
「ああ。兄は実家の店の仕事をしていて、外国へ行って珍しい商品を買ってきて、こっちで売っているんだ。
それで、今日、家に帰ってきて話を聞いたんだ。」




「お帰り。収穫はあった?」
「いやー、あまり無かったなぁー。あっ!!でも、笑えることがあったんだよ。
田舎の店で食事をとっていたら、お嬢様の身なりをした人が入ってきて、後ろには護衛がついているんだよ。そんな人が席に着いて、メニュー表を見て料理を注文したんだ。一体、何が出てきたと思う?『お子様ランチ』だぜ!!
吹き出しそうになるのをこらえるのに大変だったよ!!」
「お嬢様……。」
「ん?この話、面白くなかったか?」
「兄さん、その人の似顔絵描いてくれるか?」
「ああ?まあ、いいぜ。」




「兄に描いてもらった似顔絵がこれだ。」
アベラード卿がハンプトン子爵令嬢と田中さんに見せた。
「「!!?」」
その描かれた絵はそんなに上手くはなかったが、ペリゴール侯爵令嬢の特徴によく似ていた。
「ウェーブのかかった金髪に、つり上がった青色の瞳!!これはペリゴール侯爵令嬢で間違いないんじゃないの?
とりあえず、私達もダラムへ行ってみましょう!!」
「兄がダラムで見たのが4日前の話だから、ダラムにまだいるか分からないがな……。」