その頃、エズフは………




同僚のライアンと対峙していた。
「また宮廷に戻ってきてどうしたんだよ。ティム様の護衛をするのが嫌になって戻ってきたのか?」
「なんだと!?今までの僕だと思って見くびるなよ!!」
「ふーん、じゃあ俺と勝負しようぜ。」
「望むところだ!」
エズフは懐から剣を取り出した。
そして、ライアンも懐から剣を取り出した。
両者、剣を構えて睨み合っている。


ガラガラ。
部屋のドアが開く音がした。
「あれ、二人ともそんな所で何してんの?って言うか、エズフ戻ってきてたんだ!」
エズフの別の同僚がやってきた。
「うるさい!今、こいつをコテンパンにしてやろうと思っているんだから黙っててくれよ!」
「そうか!悪かったな!だけど、勝負するなら稽古用の剣でしろよな!万が一のことがあったら大変だろ!」
「だとよ、どうする?僕は別にこのままでも良いが。」
「俺もこのままで良いぞ。お前が俺に傷ひとつ付けられるわけないんだからな!」

「でもさー、エズフはティム様の護衛やってるんだろ?それなのに、怪我でもしたら治るまでティム様の護衛できなくなるんじゃないの?」
「うぐっ!?それは困る……。」
「なら、稽古用の剣でしろよな!」
「分かった。ライアンもそれで良いか?」
「仕方ねぇな。それで良いよ!」
こうして、二人は稽古用の剣で勝負することになった。


ワイワイ、ガヤガヤ。
「ってなんでこんなにギャラリーがいるの!?」
エズフはツッコんだ!
「いやー、エズフとライアンが勝負するって同僚に言ったらみんな集まっちゃって。てへ(・ωく)」
「てへ(・ωく)じゃねぇよ!!全く可愛くないからな!!むしろ、怒りが込み上がってきたわ!!」
「じゃあ、そういうことで!」
同僚は目に止まらぬ早さで逃げていった。
「あっ!?待て!!逃げやがった……。あいつ、逃げ足だけは速いんだよなぁ。」