「ところで兄さん、兄さんが持っていた不思議な石はどうなったんですか?」
「あっ!?えーと、あれは…ちゃんと持ってるよっ!!」
「そうですか。それなら良いのですが、もし失くしたりして誰かに悪用されたら悪いので、ちゃんと持っているなら安心しました!」
「ハハハ……そんな大切なものを失くすわけないでしょっ!それに失くしたとしても、見た目はタダの石だから不思議な石とは気づかないんじゃないの?(汗)」
「まあ、そうでしょうが……。偶然何かのきっかけで不思議な石だと気づくこともあるかもしれないですよ。」
「そうかな~(^o^;)それはないと思うけどね。」
「兄さんは何故そう言い切れるんですか!」
「別に言い切ってはないけど、99.9%は不思議な石だとは気がつかないと思うぞ!」
「「だから、何故99.9%は気がつかないと兄さんは判断できるんですか!!」」
「「明らかにタダの石に見えるから、不思議な石だとは誰も思わないだろ!!」」
「「しかし、マガリーヌ伯爵令嬢は不思議な石だと気がついて悪用しましたよ!!」」
「「それはまれなことだろ!!普通は気がつかないよ!!」」
「「普通とは一体何ですか!?普通の基準を教えてくださいよ!!」」
「「基準だとかなんだとかハーヴァル、お前は昔から頭が固いんだよ!!」」
「「それを言うなら兄さんだって少しは慎重に物事を考えてくださいよ!!」」
兄弟ゲンカが始まってしまった。
両者一歩も引かない。
「そういえば、お前に貸した本まだ返してくれてないな。」
「あれ兄さんが私にくれたんじゃないんですか?」
「そんなわけないだろ!あれは貸しただけだ!」
「ならちゃんと言ってくださいよ!」
「あげるって言ってないから分かるだろ!」
「「ちゃんと言ってくれなきゃ分からないですよ!!」」
めっちゃしょうもないことでケンカしている……。
「「しょうもないことじゃない!!(しょうもないことじゃないです!!)」」
すみませんでした……。
っていうか何で私が怒られてるの?
「「だから、間に入ってくるなよ!!(だから、間に入ってこないでください!!)」」
地の文をツッコまないでよ!!
これじゃあ、三人でケンカしているみたいになってるよ!?
「「地の文はでしゃばんじゃねーよ!!(地の文は邪魔しないで下さい!!)」」
うっわぁー!!もう収集つかないや……。
逃げちゃえ!!ピューウ!←どこかへ逃げる音。
「あっ!?待て!!逃げやがったぞ!!」
「追いかけましょう!!」
「ってどこに追いかけに行くんだよ!地の文を探しにいく小説のキャラクターなんていないぞ!!」
「確かにその通りですね。フフフ。」
「何がそんなにおかしいんだよ!」
「なんだか自分達がケンカしていたことがバカらしくなってしまって……。」
「確かにそうだな……。ごめん。私が悪かったよ。」
「いや、私も大人げなかったです。すみませんでした。」




こうして、二人は仲直りしたのであった。
「あっ!地の文だ!」
げっ!