「一体どうやってあの大勢の盗賊を倒したのですか?」
「倒してはないが、逃げていった。」
コーニエルがティムとエズフを助けた時のことを話し始めた。




ドドドドドドドドドッ!!!!
「ん?なんだ?」
コーニエルは地面の石を拾おうとしていたところで、大きな音が聞こえてきて振り向いた。

馬に乗った人達がこちらへ向かってきているようだ。
「もっとよく見よう。」
コーニエルは懐から望遠鏡を取り出し、覗いてみた。
「!」
先頭を二人走っていて、その後方から来る柄の悪そうな連中に追いかけられているみたいだった。
「なんかヤバそうだから草むらに隠れよう。」
そして、様子を伺っていたが柄の悪そうな連中に段々と二人が距離を縮められていき、柄の悪そうな連中の一人が鉄砲を取り出した。
『危ない!!』
コーニエルは咄嗟に魔法で鉄砲を弾き飛ばそうとした。
「「バーンッ!!」」
しかし、間に合わず銃声が響いた。
そして、一人が馬に覆い被さるようにして倒れた。
バチバチバチッ!!
「「ぐわっ!!」」
その後すぐにコーニエルの魔法が直撃し、鉄砲を弾き飛ばした。
「「誰だ!!」」
「あっちの草むらの方から稲妻が走るのを見ました!」
「なんだと!その草むらを見てこい!!」
そして、コーニエルが隠れている草むらへ近づいてきた。
(こうなったら、やけくそじゃー!!)
ポッポゥー!クルックルゥー!ポゥー!
「「うわっ!?何だ!?凄い数の鳩が飛び出してきたぞ!!」」
そして、鳩は糞をかけたり、突っついたり、翼を広げて打ち付けたりした。
ビューン!!
「「うわっ!?何か飛んでいったぞ!!」」
「「おい!人がホウキに乗って空を飛んでいるぞ!」」
「「そんな馬鹿な!!」」
ヒュー、ボゥ!ヒュー、ボゥ!
「「うわっ!?あちちっ!!」」
「「熱っ!!」」
コーニエルは上から魔法で火の玉を落とした。
「「一旦、撤退だー!!」」




「盗賊から助けていただき、ありがとうございます!」
「おい、鉄砲で撃たれた人は大丈夫なのか!?」
「見たところ、気を失っているだけで弾は当たっていませんでした。」
「そうか!安心した!」
「しかし、一応医者に診てもらった方が良いので、ここから少し遠いですが宿場まで行こうと思います。」
「そうか、また盗賊が現れたら大変だから俺も着いていってやるよ!」
「えっ!?そこまでしていただいて良いのですか?」
「ああ、俺は困っている人がいると見過ごせない性分なんだ。っていうのは嘘で、罪滅ぼしだ。」
「罪滅ぼしというのは?」
「俺はスブルストの国王に頼まれてハンプトン子爵令嬢を操って間接的にグラスターの第一王子を殺そうとしていた魔術師だからだよ。」