「「待てー!!コラー!!」」
盗賊もすぐに馬に乗って追いかけてきた。

「ヤバイですね!ティム様、どうしますか!?」
前方を走るティムに声をかける。
「どうもこうも、とにかく逃げる!」
「当たり前のこと言ったよ!!この人!!」
エズフのツッコミもむなしく盗賊が段々と距離を縮めてきた。
そして、「「バーンッ!!」」と銃声が聞こえた。

『あっ!ヤバイ、俺死んだわ!』
とエズフは思った。
………………
……………
……………
………………
「おい!お前、ティム様の護衛につくことになったそうじゃないか。いわゆる、左遷ってやつだな!ハハハ!」
「なんだとっ!!名誉あることだろうがっ!!」
「何が名誉があるって?今のティム様の護衛につきたいと思うやつなんていないだろ!!」
「……。」
俺はそんなことを同僚に言われて、屈辱だった。
確かにティム様は婚約破棄騒動を起こして、評判は悪い。
俺は本当に左遷されてしまったのだろうか……。
もしそれが本当だとしたら、俺の何がいけなかったのだろうか?
遅刻がいけなかったのだろうか?
それとも、上司と口論になったのがいけなかったのか?
それとも、仮病で早退したのがいけなかったのか?
はぁー( ´Д`)俺マジで左遷なのかぁー?嫌だぁー!!そんなの恥ずかしすぎる!!
そう思ったら急にティム様の護衛に
着くのが嫌になってきたぞ!!


そんな感じで俺はティム様の護衛につくことになった時のことを思い出していた。
ああ、これは走馬灯なんだろうか?

「「おい!しっかりしろ!!」」

「え?」
俺は生きていた。
目の前にはティム様がいた。
そして知らない誰か。
俺は意識を失っていたのか……。
「この人が私達を助けてくれたんだ。」
「そうでしたか。助けていただいて、ありがとうございます。」
「この人は魔術師なんだ。それで、私達を魔法で助けてくれたんだ。」
「魔術師!?魔法!?」
「そうだ!!俺は魔術師で魔法が使える!!お前らは運が良かったな!!俺がたまたまあそこにいたから良かったものの、いなかったらどうなっていたか分からんぞ!」
「だけど、あなたはスーツを着てピシッとしていますね。普通、魔術師は黒のローブを着て陰気臭い感じなのかと思いましたよ。」
「今時の魔術師はスーツだって着こなせるんだよ!!それから、ローブが陰気臭いとか言うな!!城下町をそれで歩いていた俺が恥ずかしいだろうが!!」
「え?城下町に行ったんですか?」
「ああ、行ったよ。知らないか?城下町で手品披露したの?」
「ああ!そういえば、スブルストから魔術師が来て手品したとか以前新聞に載っていましたね!」
「その魔術師が俺だよ。」
「確か名前はコーニエルさんと書いていたような……。」
「そうだよ!俺がそのコーニエルだよ!」
「そうでしたか!いやー、新聞にはそんなスーツ姿で載ってなかったから、コーニエルさんだとは気づきませんでしたよ。」
「「もういいわ!!そのくだり!!」」
コーニエルは叫んだ!!