ティムは王に食事に誘われた。

こっちに来てからは、一人で食事をしていたので、王から食事に誘われて少し嬉しくなった。



「今回の晩餐会、上手くいって良かった。ティムも、儀典官の代理として頑張ってくれてたそうじゃないか。ありがとう。」

「私も、少しでもお役に立つことができて良かったです。」

そして、色々積もる話を二人でしていると急に王が苦しみだして、イスから転げ落ち、床に倒れこんでしまった。

「ど、どうかしましたか！？大丈夫ですか！？」

部屋の隅で控えていた従者がやってきた。

王がもだえ苦しんで、口から食べ物を吐いた。

程なくして、医者がやってきて検査した結果、食べ物に毒が入っていて、それを王が食べてしまったと言うことが分かった。

「お父様は、助かるのか！！？」

「今は、まだなんとも言えません。しかし、できるだけのことはしてみます。」

王が医療部隊に運ばれていった。

取り残されたティムは、従者に身体検査をさせられた。

すると、ティムのズボンのポケットの中から、小さな袋が出てきた。

袋を開けてみると、中には何かの粉が入っていた。

「これはなんだ！！！」

「えっ！？何これ！？私も、知らないぞ！！」

「とぼけるな！！！」

すぐに粉の成分を調べてみたところ、毒物と言うことがわかった。

ティムは、あっという間に牢屋に入れられてしまった。

ティムは、牢屋の中で、

「私は、やってない！！！誰かが私をはめたんだ！！！ここから出してくれ！！！」と自分は無実だと訴え続けた。

しかし、看守に

「うるさい！！静かにしろ！！」と怒鳴られただけだった。









メイドのカレンの耳にも、ティムが王毒殺の疑いで捕まったと話が入ってきた。

「まさか！？そんなはずはないわ！！

ティム様が国王陛下を殺そうなんて思うはずがないわ！！！

だって、ティム様は家族4人で幸せな生活を送る夢を見るくらいなんだから、国王陛下に対してティム様が殺意なんてあるはずがないわ！！！

これは、誰かが仕組んだ罠よ！！！

絶対にティム様が無実だと証明して見せるんだから！！！」



カレンは、ティムに会いに行った。

「カレン、会いに来てくれたんだね！！

ありがとう！！私は、国王陛下を殺そうなんて思わないよ！！！」

「分かってます。ティム様の無実を絶対に証明してみせます！

ティム様は、誰かに自分のズボンのポケットの中に毒物を入れられたのは、いつだと思いますか？」

「えーと……。ワンワン民族の子供に石を貰って、その石をズボンのポケットの中に入れた。それから、カレンに寝るように言われてそのまま着替えずに寝たんだ。

次の日に起きてからズボンを新しいのに着替えたんだ。

もしかしたら、着替えたズボンのポケットの中には、既に毒物が入った袋を誰かに入れられていたのかもしれない。

私とお父様が一緒に食事をすることを知っていて、この機会を逃すまいとして仕組んだんだろうな。」

「ティム様と国王陛下が一緒に食事をすることを知っていて、ティム様のズボンのポケットの中に毒物が入った袋を入れることができて、国王陛下の食事に毒物を入れることができる人物って誰なんでしょう？」

「多分、一人でするのは難しいんじゃないか？？何人か犯人が居る気がするな……。」

「私も、そう思います。」