パカラッ!パカラッ!パカラッ!パカラッ!



「「ちょっと待ってくださいよー!ティム様ーー!!休憩しましょうよーー!!」」

「さっき休憩したじゃないか……。」

ティムはやれやれ……。と言いながら馬を止めた。

「ありがとうございます!この馬が休みたそうにしていたので、仕方なかったんですよ~。」

「エズフ、馬のせいにするなよ!」

へへへ。と言いながらエズフは笑っていた。

「まだまだ王都までの道のりは長いのに先が思いやられるな……。」

ティムとエズフはカレンの結婚式に出席するために王都まで向かっていた。

「あっ!そういえば、僕を襲った盗賊はどうなったんでしょうね?捕まったんですかね?」

「……まだ捕まってないみたいだぞ。」

ほら。とティムが指差す方を見ると、遠くから盗賊が自分たちをめがけて走ってくるのが見えた。

「「ゲゲッ!?まだ捕まってなかったんですねーー!!」」

「戦うぞ!!」

「「えーー!?何言っているんですか!?」」

「見たところ相手は6人だ!それぐらいの人数なら倒せるだろう?」

「えっ!?そんな急に言われても……。」

「私は知っているぞ。エズフが盗賊に襲われてからというもの、毎日剣術の鍛練に励んでいるだろう?」

「え!?知ってたんですか!?」

「今、その成果を見せる時が来たんじゃないか?」

「「……そうですね!見せてやりましょう!!僕がどれほど強くなったかを!!」」

ティムとエズフは戦う覚悟を決めた。

そして、盗賊がティムとエズフを取り囲んだ。

「おいおい、兄ちゃん達逃げなくていいのかよ?それとも、あきらめたのか?」

「「私たちは覚悟を決めたんだ!!」」

「え?身ぐるみを剥がれる覚悟をか?」

ワハハハハ!!!と盗賊が笑い合っている。

「「違う!!お前たちと戦う覚悟をだよ!!!」」

ティムはそう言って、腰につけていた剣を引き抜いた。

盗賊も腰につけていた剣を引き抜き、馬を走らせティムに斬りかかった。

ガッキーン!!と音が鳴り、盗賊が手元を見ると剣が弾き飛ばされていた。

一瞬のことだった。

「?」

剣を弾き飛ばされた盗賊はポカーンとしていた。

続けて他の盗賊も斬りかかってきたが、ティムが剣を弾き飛ばした。

そして、ティムがエズフの方を見るとエズフもまた盗賊達の剣を弾き飛ばして、盗賊達の剣だけがむなしく地面に転がっていた。

自分達が置かれている状況が分かった盗賊は、ガタガタと震えながら逃げていった。

「ティム様、捕まえなくていいんですか?」

「捕まえたい気持ちは山々なんだが、盗賊の剣を弾き飛ばした衝撃で腕が痺れてしまったよ。深追いするのはやめておこう。」

「そうですね。実は僕も腕は痺れてないんですが、手首を捻ってしまったみたいで痛いです。」

こうして、ティムとエズフは盗賊を深追いすることをせず、王都へ向かっていった。