マガリーヌ伯爵令嬢はハンプトン子爵令嬢がティム殿下と親しくしているのを知っていた。

そこでマガリーヌ伯爵令嬢が思いついたのが、不思議な石の力でサンドウィッチ侯爵令嬢に変身して苛めることだった。

「やっぱりエマ殿下が苛めをするはずがなかったんだわ!!足を踏んできたり、体当たりしてきたり、腕をつねってきたり、バカとかアホとか言ったのはマガリーヌ伯爵令嬢だったのね!!!なんでエマ殿下に変身して私を苛めたのよ!!?エマ殿下は何も関係ないじゃない!!!」

「それはエマ殿下に変身してあなたを苛めたら、面白いことになりそうな気がしたからよ。」

「ティム様とエマ殿下を巻き込まないでよ!!!」 

「だけど、面白いことになったじゃない?」

「「私は全然面白くないわよ!!!私がエマ殿下に苛められたとティム様へ言ったから、エマ殿下は私のことを嘘つきだと思っているわ!!

それに、このきっかけがなかったらティム様とエマ殿下が婚約破棄しなかったかもしれないのよ!!」」

「だけど、あなたはティム様と婚約することができたから良かったじゃない?少しの間だったけど(笑)」

「ムッカー!!私が王妃教育についていけないと最初から分かっていたのね!!」

「あーら、私そんなこと一言も言ってないわよ。王妃教育についていけなかったから婚約解消したのね。」

「白々しいわね!」

ハンプトン子爵令嬢とマガリーヌ伯爵令嬢は言い合いを始めた。

「「ちょっと二人とも落ち着いてください!!」」

田中さんが叫んだ。

田中さんの言葉でハンプトン子爵令嬢もマガリーヌ伯爵令嬢も冷静になった。









後日、ティムとエマ殿下へアベラード卿が手紙を送った。

その手紙には、マガリーヌ伯爵令嬢が不思議な石の力を使ってエマ殿下に変身し、ハンプトン子爵令嬢を苛めていたことを書いた。



「そうだったのか……。」

「そうだったのね……。」

ティムもエマ殿下も真実が分かったが、もう過去は変えることができない。

過去を変えることはできないが、これからの未来を変えていくことはできる。