マガリーヌ伯爵令嬢に連れられて、同級生のお宅へ訪問した。
「久しぶりねー。ずっと社交会に出ないから、どうしてるのかと心配してたのよー!」
「心配してくれて、ありがとう。私も、人の目を気にしながら生きるのはやめたのよ。」
「そうなのねー。私だったら、ハンプトン子爵令嬢みたいにそんな勇気が出ないわー。」
「オホホホホー。私って、けっこうメンタル強いからねー!!(どいつもこいつも、私がティム様とエマ殿下の仲を引き裂いて婚約破棄させておいて、結局フランクと付き合ったことをネタにしてくるなぁ!!)」
「アリア嬢、顔が笑ってないぞ……。」
アベラード卿が小声で言う。
「あら、そちらの方は?」
同級生が尋ねる。
ここで待ってましたと言わんばかりに、田中さんは挨拶をした。
そして、アベラード卿のことも……。
「そして、こちらがアベラード卿です!アベラード卿は、外交官をやっていてアリア嬢と付き合っているんですよ!」
「ちょっとタナカさん、余計なこと言わないでよ!!」
ハンプトン子爵令嬢が慌てる。
「何をそんなに恥ずかしがっているんだ?そんなに付き合っていることを知られるのが嫌なのか?」
アベラード卿が不服そうに言う。
「ちょっと!アベラード卿も何を言って……「あなた達が仲が良いのは分かったわ。さっさと話をしましょう。」



そうして、同級生の話を聞いて分かったことは、やはり犯人は同級生とその夫をケンカをさせて、仲を悪くさせて楽しんでいるんじゃないかということ。
「私、そんなことして楽しんでる人なんか絶対に許せないんだから!!」
ハンプトン子爵令嬢は激怒した。
「まあまあ、落ち着いて。だけど、これで明らかになったじゃないか。これは、他人がアリア嬢の同級生になりすましているに違いないってことが。」
アベラード卿が冷静に言う。
「……まあそうね。」