そして、なんやかんやあってティムとハンプトン子爵令嬢は両思いになった。

ハンプトン子爵令嬢は幸せだった。

しかし、その幸せも長くは続かなかった。

ティムの婚約者から苛められるようになったのだ。

最初は耐えていたがとうとう耐えることができずに、ティムへ泣きついてしまった。

するとティムはサンドウィッチ侯爵令嬢との婚約を破棄して、ハンプトン子爵令嬢と婚約すると言い出した。

ハンプトン子爵令嬢はティムと婚約することになり、とても喜んだ。

周りの人達からは良い目では見られなかったが、それでも良いと思っていた。

だが、ハンプトン子爵令嬢はそれ以外に高い壁にぶち当たることになる。

王妃教育だ。

ハンプトン子爵令嬢は、王妃教育をしてこなかった。

王妃になる予定が無かったから……。

しかし、第一王子のティムと婚約することになって、王妃教育をしなくてはいけなくなった。

最初のうちはなんとか我慢をして勉強をしていたが、段々王妃教育についていけなくなった。

ハンプトン子爵令嬢は家でも練習して頑張ったが次々に課題が増えていき、こなすのが困難になってきた。

生活も不規則な生活になり、体調を壊すようになった。

これではいけないと思い、気分転換に城下町へ行ってみることにした。

そこでフランクに出会った。

フランクはスッゴくイケメンで、めっちゃ優しくて、頭も良くて、頼りになる、一緒にいて楽しい人だった。

そして、ハンプトン子爵令嬢はティムに、好きな人ができたから婚約を解消してほしいと頼んだ。

本当は、王妃教育がとても大変で嫌になり、そんな時にフランクという自分にとって都合の良い、心のよりどころを見つけてしまったからとはとても言えなかった。

周りの人達にもなんで婚約を解消したのか聞かれたが、好きな人ができたからだと答えた。

しかし、あまり納得してもらえず、付け足してティムとは一緒にいても面白くなくて退屈だったからだと答えた。

ハンプトン子爵令嬢は、自分のちっぽけなプライドのために嘘をついてしまったのだ。

ティムは面白くて、一緒にいても退屈はしない人だった。

なのに、全く逆のことを周りの人達に言ってしまった。

ハンプトン子爵令嬢は、バカだ。

正確には、自分のちっぽけなプライドの為に嘘をついてしまい、ティムを裏切ってしまったバカヤローだ。