ハンプトン子爵令嬢は、仲間ができて嬉しく思った。

そして、同時に苦しく辛い過去を思い出した。







その日、ハンプトン子爵令嬢は同級生の令嬢達に裏庭へ呼ばれた。

「ねぇ、何であなたがティム殿下と親しくしているのよ!!」

「えっ!?私はただ、何気ないことを話しているだけよ。」

ハンプトン子爵令嬢はティムに助けてもらってから、少し会話をする仲になっていた。

「「それが腹が立つのよ!!」」

令嬢達は、凄い剣幕をしている。

「「それの何がいけないのよ!!」」

ハンプトン子爵令嬢は、負けじと言う。

「あなた身分をわきまえなさいよ!!!あなたはただの子爵令嬢じゃないの!!そんなあなたがティム殿下と何気ない会話をしていいわけないないじゃない!!」

「そっ、そんなことないわ!!ティム殿下は、身分を気にしていないわ!!」

「「うるさい!!!」」

ドンッ!!!

「「きゃっ!?」」

ハンプトン子爵令嬢は、突き飛ばされて気を失ってしまった。







ぱちっ!

ハンプトン子爵令嬢は、目が覚めた。

「ここはどこ?」

「「起きたぞ!!大丈夫か!?ここは医務室だ!!」」

「そっか、私突き飛ばされたんだった……。」

「あなたを突き飛ばした奴らは、一ヶ月の自宅謹慎になった。」

医務室の先生が告げる。

「そうですか……。」

「たまたま、そこを通りかかった生徒がいてハンプトン子爵令嬢が突き飛ばされているのを目撃したんだ。」

「たまたま、そんなことあるんですか?」

「その生徒は、裏庭に好きな子を呼んでそこで告白するつもりだったんだ。」

「じゃあ、告白できなくて悪いことをしてしまいましたね……。」

ハンプトン子爵令嬢は、申し訳なくなった。

「それが、ハンプトン子爵令嬢を突き飛ばした奴らを追い払って、医務室までハンプトン子爵令嬢を運んでいるカッコいい姿を呼ばれて来た子が見て、逆にその生徒は告白されてしまったんだ。だから、大丈夫だよ。」

「へぇー、そんなことってあるんですね……。」