月が一度満ち欠けを繰り返した頃、グラスターに着いた。

「やっと帰ってこれたわ!!」
ハンプトン子爵令嬢が嬉しそうに言う。
「ここがグラスターなのね!!一度来てみたかったのよね!!たこ焼きに焼きそば、お好み焼きを食べてみたいわ!」
「すっかり、観光気分になってるわね……。」
ハンプトン子爵令嬢は、ペリゴール侯爵令嬢のために城下町を案内してあげた。
ペリゴール侯爵令嬢は、色んな美味しい物を食べたり観光名所を巡って楽しそうにしていた。

「生きているとこんなにも楽しいことがあるのねー!!ハンプトン子爵令嬢が助けてくれなかったら、私、あんな何もないところで一人ぽつんと死んでいたのかと思うとゾッとするわ……。」
「ペリゴール侯爵令嬢を助けれたのは、たまたまよ。ホウキに乗って空を飛んでいて、地上を見渡せたから人が倒れているのに気づけたけど、馬車に乗っていたら多分、気づけなかったと思うわ。」
「ホウキに乗って空を飛んでてくれて、ありがとう!!」
ペリゴール侯爵令嬢は、ハンプトン子爵令嬢に抱きついた。
ハンプトン子爵令嬢は、人に感謝されるのも悪くはないなと思った。