「さあ、私の後ろに乗って！！」

ハンプトン子爵令嬢はホウキに跨がり、侯爵令嬢をホウキに乗るように促した。

「えっ！？何を言っているの！？」

「あー、そうだったわね……。まずは説明をしないと。ビックリするかもしれないけれど、私は魔法が使えるのよ。それで、ホウキに乗って空を飛ぶことができるのよ。だから、グラスターまでホウキに乗って行きましょう！！さあ、後ろに乗って！！」

「あなたが言っていることは理解できたけど、のみこむことはできないわ。だけど、考えている暇はないわね……。」

侯爵令嬢は、とりあえずなにも考えずにホウキへ跨がった。

そして、ハンプトン子爵令嬢は侯爵令嬢が乗ったのを確認すると、グラスターを目指しホウキを飛ばした。







「気分はどう？」

「……………。」

「おーい！大丈夫？」

「……ハッ！！ごめんなさい！！怖すぎて現実逃避していたわ。」

「ごめんなさい。馬車で移動すれば良かったんだけど、ホウキに乗って空を飛べるようになったのが嬉しくって、ついホウキに乗ってグラスターまで帰ろうと思ってしまったのよ。」

「えっ！？最近、乗れるようになったってこと！？大丈夫なの！？落ちたりしない！？」

「もー、心配しないでよ！！ちゃんと修業を積んで乗れるようになったんだからーー！！！」

「そうなの？じゃあ、信用していいのね？」

「もちろんよ！！大船に乗ったつもりでいなさい！！」