放課後、図書室で叫ぶ

作品番号 1596310
最終更新 2020/06/29

放課後、図書室で叫ぶ
恋愛・青春

171ページ

総文字数/ 85,610

運命の赤い糸が見えるって言ったら、あなたは信じますか?

僕には運命の赤い糸が見える。
大抵の人は胸元から糸が伸びていて、世界中の何処かの誰かと一本の線として繋がっている。
糸が繋がった同士は将来、どんな形であれど幸せな関係を築く。
あらすじ
赤い糸が見える僕――篠原実笠はある日、赤い糸を持たない少女――桜坂琴音と出会う。信じてもらえないと思いつつも、彼女に赤い糸を見ることが出来ることを告げると、彼女は「私は一生に一度だけ、五秒間どんな願いも変えることができると言う人に出会ったことがある」と言った。
彼女が赤い糸を持たない理由が、あと一年で声を出せなくなることだと知った僕は、うしろめたさや歯がゆさを感じつつも、互いに分かりきった未来が待っている同士で打ち解けることになる。

琴音の声が出にくくなってきた夏休み直前、僕は糸の繋がっていない両親の中の悪さを目の当たりにしてしまう。そして、夏祭りの日、自分と赤い糸がつながっている幼馴染――佐倉愛衣が親友の雲宮幸田に告白しようとするのを半ば強引に阻止してしまう。そして、その件で琴音と喧嘩をしてしまい、自分の過ちを痛感すると同時に、赤い糸が見えなくなってしまう。

琴音と会話を交わさない日々が続き、夏休みが明けると、彼女は既に声を出すことが出来なくなっていた。激しく自分を責める僕に、ずっと寄り添ってくれた琴音に僕は次第に異性として惹かれるようになっていく。

琴音が声を出せないと学校中に認知されだした秋、学園祭で彼女は言葉を話せない役を押し付けられる。周りの異様な雰囲気にもやもやした感情を抱えたまま、劇が終盤へと差し掛かり、舞台上の彼女と目が合ってしまう。彼女は思わず涙を流し、劇は幕を下ろした。

憤りを抑えられなくなった僕は、次に行われた自分のクラスの劇で、喋らない役にも関わらず、大声で叫んでしまう。クラスメートは僕を責めるものの、琴音は感動して再度、大粒の涙を流す。

卒業式が終わり、僕は導かれるように図書室へと向かうと、そこには琴音がおり、二人は愛を誓う。

琴音は時計を見ると、静かに深呼吸をして開いた手の指をゆっくりと折りながら、「ありがとう!」と大きな声で叫んだ。

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