倉瀬がシャワーから戻ると、奈々はソファの肘掛けにもたれ掛かってスヤスヤと寝息をたてていた。
膝を折り曲げて、ただでさえ小さい体が更に小さくなっている。
「奈々。」
呼び掛けてみても反応はない。
そっと髪に触れると、まだ毛先がしっとりとしていた。
奈々の性格からして、倉瀬を待たせまいとドライヤーもそこそこに出てきたに違いない。
「お前はいつもお人好しすぎるんだよ。俺に気を遣いすぎだ。」
言い聞かせるように言ってみたが、全然起きる気配がない。
バスローブの裾から覗く白くて細い足が、女性らしさを感じさせた。
「しかもお前は無防備だ。危なっかしいヤツだな。」
呆れたように言うと、倉瀬はそっと奈々を抱き上げた。
起こさないように慎重に寝室へ運ぶ。
まったく、手の掛かるヤツだ。
俺に面倒掛けさせやがって。
そう思いつつ、それが全然嫌ではないことに気付く。
そっとベッドに降ろすと、「ん…」と吐息が漏れた。
乱れた髪を手ぐしで直してやる。
長い睫毛がとても綺麗で、倉瀬はしばし見惚れていた。
膝を折り曲げて、ただでさえ小さい体が更に小さくなっている。
「奈々。」
呼び掛けてみても反応はない。
そっと髪に触れると、まだ毛先がしっとりとしていた。
奈々の性格からして、倉瀬を待たせまいとドライヤーもそこそこに出てきたに違いない。
「お前はいつもお人好しすぎるんだよ。俺に気を遣いすぎだ。」
言い聞かせるように言ってみたが、全然起きる気配がない。
バスローブの裾から覗く白くて細い足が、女性らしさを感じさせた。
「しかもお前は無防備だ。危なっかしいヤツだな。」
呆れたように言うと、倉瀬はそっと奈々を抱き上げた。
起こさないように慎重に寝室へ運ぶ。
まったく、手の掛かるヤツだ。
俺に面倒掛けさせやがって。
そう思いつつ、それが全然嫌ではないことに気付く。
そっとベッドに降ろすと、「ん…」と吐息が漏れた。
乱れた髪を手ぐしで直してやる。
長い睫毛がとても綺麗で、倉瀬はしばし見惚れていた。