『森の中のお菓子屋さん』

それが、私の通う高校で噂になっているお店の名前だ。

今もほら、クラスの男子が大声でその話をしてる。


「なぁ皆、知ってたか。森の中のお菓子屋さんには孤独なやつしか入れないけど、その代わり入ったやつの願いは必ず一つ叶えてくれるらしいぜ!」


男子の言葉でよりいっそう話に花が咲いた。

私は大概こういう馬鹿らしい噂は信じない。

でも、願いを叶えてくれる森の中のお菓子屋さんには少しばかり興味を持てる。


「……騙されたと思って、一回行ってみようかな」


私は小さく呟くと、騒がしい放課後の教室を出て一人森に足を運んだ。