翌日、俺と奈未は大学で顔を合わせた。

いつもなら、目が合うと奈未のほうが笑いながら俺に歩みよってくる。

だけど昨日のことがあったせいか、奈未は俺のことを見ないようにわざとらしく顔をそらしていた。

近づいて話しかけようと思ったけれど、奈未はずっと友達と話していて俺が近づく隙を与えてくれない。

奈未は俺とケンカすると、しばらく俺と口をきいてくれなくなる。


昨日は約束をすっぽかした上に電話にも出なくて。

彼女はきっと相当俺に腹をたてているはずだ。


結局、俺は奈未に近づくのを諦めることにした。

しばらくしてほとぼりが冷めたら、奈未に謝ろう。


そんなふうに思ってタイミングをはかっているうちに、大学の前期が終わって夏休みが始まった。