「アハハッ……大丈夫だって。
今つまみを買いに行っているから言わないと
バレないって」
春子さん……?
しかし後ろから
「あら、おつまみを買いに行っていたら
そんな楽しいことをしていたのですか?
源さんは」と女性の声が聞こえてきた。
えっ……!?
振り向くと源さんと同じ40代ぐらいの女性が居た。
優しそうな感じの人だった。
「ゲッ!!春子!?」
「まったく。あ、源さんったら!?
ビールは、1本って言っているでしょう。
明日は、準決勝と決勝があるのですよ!
二日酔いで走れなくなったらどうするのですか!?」
「大丈夫だって……俺の愛車は、いつだって
エンジン全快だから」
「何をアホなことを言っているのよ。
まったく……あら?あなたは……」
この人が……春子さんだろうか?
その春子さんは、呆れながらも私に気づいた。
あ、えっと……奥さんだろうか?
挨拶しなくちゃあ……。
「あ、えっと……二階堂結衣です。
亮平さん……日向さんの婚約者です」
慌てて挨拶した。
するとあらあらと嬉しそうな顔をされた。
「まぁ、あなたが!?話は聞いているわ。
私は、源さん……杉原の妻の春子です。
よろしくね」
「はい。よろしくお願いします」
いきなりの出来事で驚いたけど
春子さんは、やはり上品で優しそうな女性だった。
源さんは、とにかく明るくてひょうきんな人だった。
意外な組み合わせで飲み会が始まってしまった。
すると松岡さんが夏美さんに
「夏美ちゃんは、こっちに座りなよ?」
笑顔で隣に座るように言ってきた。