細かくみじん切りをした玉ねぎを炒めて
ボウルの中に入れる。他の材料を入れながら
「睦月君もやってみる?」と聞いてみた。
するとコクりと頷いていた。

睦月君は、手伝いらしい。
私は、やりやすいようにボウルをダイニングテーブルの
上に置いた。そして睦月君をそこに移動させると
混ぜ方を教えた。

「こうやって混ぜ混ぜしてね」

私がそう言うとコクりと頷き睦月君も
真似して混ぜ始めた。

「そうそう、睦月君。上手、上手」

睦月君は、褒めてあげるとさらに一生懸命混ぜた。
その姿も可愛らしい。
混ぜ合わせると次は、大きめの円盤にする。
睦月君も同じようにやるのだが
小さな手でやると一口サイズになった。
あ、これは……私が食べよう。

「上手に出来たね。これを焼いたら出来上がりよ!」

ニコッと笑顔で言うとパチパチと拍手をしてきた。
一緒にやってみると意外にも楽しかった。
自分に子供が居たらこんな感じなのだろうか?

コンロに火をつけて油をひくとハンバーグを焼いていく。
ジューといい音を立てて焼いていくと
いい匂いがしてきた。

「美味しそうな匂いだねぇ~」

後は、キャベツの千切りと付け合わせを用意して
あ、味噌汁を作らなくちゃあ!!
焼きながら色々考えていると仕事を終えた先生が
リビングに入ってきた。そしてキッチンに来ると
焼いているハンバーグを見てきた。

「あ、お疲れ様です」

「いい匂いがすると思ったら
ハンバーグを作っていたのか?」

「あ、はい。お世話になりっぱなしなので
せめてこれぐらいはと……すみません。
あ、でも睦月君も手伝って一緒に作ったんですよ!」

私は、慌てて教えた。怒ってないよね……?