「大変。探さなくちゃあ……」
「俺らの居る階は、探したが見つからなかった。
多分エレベーターでおりてしまったのだろうけど」
先生がそう言った。
なら、外に出てしまった可能性が高いわね。
遠くに行っていないといいのだけど……。
もし事故や迷子になったら大変だわ。
うーん。余計に危険が及ばない事を祈るばかりだ。
「私も探します!」
「じゃあ、右を探せ。俺は、左を探すから」
「はい。」
私は、右の道を探す事にした。
睦月君は、私と一緒に探してくれた。
茂みや駐車場などを探した。しかしなかなか見つからない。
「睦月君。居た?」
「弱ったわねぇ~」
睦月君は、首を横に振るう。
子猫だと何処までの距離なら行けるのかしら?
こんな事ならカバンに入れて
一緒に連れて行くべきだったわ。
睦月君を見るとしゅんと落ち込んでいた。
後悔しても遅い。とにかく諦めずに探さなくちゃあ……。
私達は、夕方近くまで探した。
この季節は、まだ明るいのだが天気が崩れやすい。
雨がぽつりぽつりと降りだしてきた。
「くっちゅん」
「睦月君は、そろそろお家に入ろうね。
雨が降ってきたし風邪でもひいたら大変だから」
睦月君は、寒くなってきたのかくしゃみをした。
これ以上は、睦月君を外に居させる訳にはいかない。
すると先生がこちらに駆け寄ってきた。
「おい。白雪は、見つかったか?」