うん?あれ?でも私が前、ご一緒した時は、
チャーハンを作ってくれた。って事は、
気を遣って作ってくれたのだろうか?
だとしたら申し訳ない事をしてしまった。
執筆の邪魔になっただろう。

せめて今度は、邪魔にならないようにしようと思い
お昼を食べ終わると静かに掃除をしたり
自分の仕事をこなした。
その間。白雪は、スヤスヤと眠っていた。
しばらくすると睦月君のお迎えの時間になってしまった。

「先生。睦月君を迎えに行って来ます!」

「あぁ……」

先生は、こちらを見ずに短く返事をする。
そしてリビングの方に戻ると白雪は、
まだ、スヤスヤと眠っていた。よし。
これならお迎えの間は、寝ててくれそうね。

私は、白雪を置いて行く事にした。
そして睦月君を迎えに行く。
帰り道。睦月君は、早く帰ろうと手を引っ張ってくる。

「はいはい。慌てなくても白雪は、
大人しく待っているわよ」

苦笑いしながら早歩きで帰る。
すると1階のエレベーター近くで先生を見つけた。
あれ?何で先生が1階に?
しかも、いつもと様子が違い何だか焦っているように
見えた。何かを探しているようだった。
私と睦月君は、慌てて先生の所に駆け寄った。

「先生。ただいま戻りました」

「お前らか……」

「どうかなさったんですか?」

「すまない。それが俺が宅配便の相手をしていたら
白雪が隙間から、すり抜けて外に出てしまったんだ」

……えぇっ!?
最初は、意味が分からなかったけど
すぐに状況を理解した。

「えぇっ?白雪が!?」

つまり脱走をしてしまったらしい。そんな
一体、何処に行っちゃったの!?