「さっさと連れて行け」
「は、はい」
慌てて受け取った。
するとそのまま席を立ち行こうとする。
あ、行っちゃう。
「あ、あの。白雪を飼うの許してくれて
ありがとうございます」
「………別に許した訳ではない」
私は、お礼を言ったが先生は、後ろを向いたまま
そう答えるとリビングから出て行ってしまった。
そう言ったけどそれは、照れ隠しだと思った。
本当に反対ならあんな風に白雪に優しく
頭を撫でたりしない。
きっと本音は、許してくれてるのだろう。
だとしたら私は、ちゃんとお世話をして白雪を
正式に認めてもらおうと心に誓った。
その後。私は、白雪を寝たのを確認すると
朝の分のキャットフードを容器に入れておく。
あと飲み物。昼に早めに来て世話をすれば
大丈夫だろう。帰るために先生に挨拶をする。
すると私を呼び止めてきた。
「小野木。これを渡しておく」
「はい?」
受け取って見てみると合鍵だった。えぇっ!?
合鍵なんて貰ってもいいのだろうか。
まさか私まで貰えるなんて思わなかったから
驚いてしまった。
「あの、これ……いいのですか!?」
「まぁ、一応付き合っているのだしな。
それに子猫の面倒を見るのに必要だろう。
勝手に入って世話をしろ」
「は、はい。ありがとうございます」
思わない合鍵のプレゼントに嬉しくなる。
それに先生とは、恋人同士になったが
今までとまったく変わっていなかったから
余計に嬉しかった。
やっと恋人に少しでも近付いた気分だった。