「そうなんだ?なら、一緒に遊ぼうぜ。
バスケットボールを持って来たからバスケしようぜ」
わざわざ睦月君を誘ってくれた。
睦月君は、コクリと頷くと拓馬君と一緒に
遊びに行ってしまった。
結局バスケで遊ぶ事になったんだ。
クスッと笑みをこぼすと私は、遊んでいる
睦月君達を見ていた。そうしたら
「あの…もしかしてあなたは、
睦月君のパパの仕事関係の方かしら?」
誰かが私に声をかけてきた。えっ?
声をする方を見ると30後半ぐらいの女性だった。
えっと……誰だろうか?
「あ、私は、今睦月君と遊んでいる
金本拓馬の母親です。
もし違ったらごめんなさい」
「あ、いえ…間違いありません。
私は、クローバー社の小野木と言います」
「クローバー社?あら、なら河合さんの代わりの方ね。
河合さんとは、幼稚園のお迎えで何度か
会っているから知っているの」
「そうなんですか。これからは、
私が代わりにお迎えをする事になると思いますので
よろしくお願いします」
「こちらこそ。フフッ…睦月君のパパが担当なんて
ラッキーよね。ママさん達に人気が高いのよ」
そう言って教えてくれた。
確かに先生と迎えに行った時も
ママさん達が先生を見ていた。
あんなにカッコいいのだから当然と言えば
当然なのかもしれないけど……。
「確かに素敵ですものね」
「もちろん。それもあるわ。
でも、少し近寄りがたい雰囲気あるじゃない?
見た目は、怖そうというかロック系というか……」
拓馬君のママは、少し言いにくそうに言う。
言いたい事は、分からなくもない。
確かに一見怖そうと言うか近寄りがたい
雰囲気がある。
下手に話しかけたら睨まれそうだ。
実際睨まれたら怖かったし……。
カッコいいだけに勿体ない気がするが。