えぇっ!?
だが、そのまま外に追い出されてしまった。
ポツンと外に取り残される。そんな~先生……!?
迎えに行けって、無茶苦茶な!?
だが、行かないと話を聞いてくれなさそうだし。
仕方がないので睦月君を迎えに行くことにした。
場所は、昨日覚えたし……。

そして幼稚園に着くと中に入って行く。
お迎えのママさん達がたくさん居た。
えっと…睦月君は、何処に居るのかしら?
確か…キリン組だったはず。
すると昨日、書類などでお世話になった保母さんを
見つけることができた。

「あ、あの……」

「あ、昨日の。早速睦月君のお迎えですか?」

「は、はい。睦月君のお迎えに来ました。
あの……睦月君は、何処に?」

「今、外で友達とサッカーして遊んでますよ」

そう言って笑顔で教えてもらった。
友達とサッカー?睦月君が?
見た目からか、あまり想像が出来ないが……。

だが言われた通りに園内にあるグラウンドを見ると
確かに睦月君は、数人の子とサッカーをやっていた。
走りサッカーボールを巧みに蹴って行く男の子。

「睦月。パス」

ドカッとサッカーボールを蹴ると睦月君の所に行く。
そうしたら彼もまた、巧みにボールを蹴り
敵チームを避けながらゴールに向かって行った。
そのままゴール。幼稚園児だと思えないほどに
運動神経が抜群だった。いや、それよりも睦月君。
あなた……運動神経があったのね!?

先生並にスポーツをするイメージが湧かなかったから
なおさら驚いた。クールな感じというかやっぱり
バンド系なイメージが強い。
私は、唖然としながら眺めていた。
しかしすぐにハッとする。
いけない…迎えに来たのだったわ!?

「えっと…睦月くーん。
迎えに来たから帰りましょう」

慌てて大声で呼びかけた。
そうすると私に気づいたのか駆け寄ってきた。
キョロキョロと周りを見る睦月君。

「あ、パパは、お仕事で自宅に居るわ。
だから今日は、お姉ちゃんと一緒に帰ろうね」

ニコッと微笑むとコクリと頷いてくれた。
良かった……。どうやら納得してくれたようだ。
そうするとさっきまで一緒に遊んでいた
男の子もこちらに寄ってきた。