いきなり質問攻めになってしまう。
ひぃぃ…!!怖い。
圧倒されてオロオロしてしまいどうしたらいいか
分からずに戸惑ってしまう。すると
先生は、私を隠すように立ってくれた。
「コイツは、俺の担当している担当編集者だ」
『担当編集者とは!?』
「俺は……いくつか小説を出している。
小説家の蓮見真夜だ」
せ、先生!?
先生が自ら正体をバラしてしまった。
もちろん周りの報道陣も驚いていた。それもそうだ。
蓮見真夜は、ベストセラー作家で今まで
顔などを隠していた。正体不明の小説家だった。
『それは、本当ですか!?』
「あぁ、俺が正真正銘の蓮見真夜だ。
蓮見は、ペンネームだ。
そして、コイツが俺の息子の睦月。
この彼女との子ではない。コイツが赤ん坊の頃に
亡くなった妻との子供だ。
コイツとは、ただの作家と編集者の関係だ。
今日も仕事と息子が熱を出したから看病を
手伝ってもらった。ただそれだけだ!」
ハッキリとした口調で先生から説明した。
ただの作家と編集者……。
分かっているのにまた、胸がズキッと痛みだした。
『ただの作家と編集者としては、
何かありそうな雰囲気でしたが……?』
『蓮見先生にしては、かなりお若いですね?
見た目もロック系みたいですが
本当に小説家なんですか?』
報道陣は、構わずに次から次へと質問をしてくる。
中には、失礼なことまで
恐れていたことが始まってしまう。失礼な質問だ。
「確かに俺は、作家の蓮見真夜だ。
表舞台に一切出なかったのは、コイツがまだ幼いからだ。
下手に周りにうろつかれたり、俺に対しての
中傷的な事を言われ息子が傷つけさせないため。
別に好き勝手言いたい奴には、言わしておけばいいが
息子を傷つける奴は、容赦しねぇーから
そのつもりでやれ」
ギロッと周りを圧倒させるように睨みつけた。
先生……そんな脅すような事を言ったら
まずいのでは?
私は、オロオロしながら止めようか悩んだ。
すると先生は、まだ話し続けた。
「見た目も周りからも小説家には、見えないと言われる。
しかし俺が書いているのは、事実だ。
中には、ゴーストライターとか疑う奴も居るかも知れない。
だが俺は、息子や俺の小説を楽しみにしてくれてる
ファンを裏切るような事は、けしてしていない。
これからもだ。
まぁ、この外見でガッカリした奴も居るかもしれないが
それは、すまないと思っている」