切なそうな表情で言っていた。
先生がそんなことを呟いていると知らずに
私は、朝まで眠ってしまった。

……うん?何だか誰かに揺すられているような?
うっすらを目を開けると
睦月君が私を揺すって起こしていた。ハッ!!
私は、慌てて起き上がる。
どうやらいつの間にか眠ってしまったようだ。

「お姉ちゃん……おはよう」

「睦月君大丈夫?もう身体辛くない!?」

慌てて聞くと睦月君は、コクリと頷いてきた。
どうやら大丈夫だったみたいだ。良かった……。
そばに置いてあった体温計を取り出すと 
体温を測ってみる。すると36度3分。
熱も平熱までに下がっていた。

「良かったねぇ~熱が下がったみたいで」

ニコッと笑顔で教えると睦月君は、
コクリと頷くと私に抱っこをねだってきた。
抱っこしてあげるとギュッと抱き締めてくる。
甘えるぐらい元気になったのなら良かった。
するとブランケットが落ちていることに気づいた。

もしかして先生が掛けてくれたのだろうか?
胸が温かいが……フッと昨日のことを考えると
ギュッと締め付けられそうになった。

なんだか切ない気持ちになった。
そして服に着替えさせるとリビングの方に向かった。
入って行くと先生は、朝食の支度をしていた。

「あ、起きたか?」

「あの……すみません。看病しているのに
寝ちゃったみたいで」

うぅっ……顔が合わせにくい。
すると先生は、コンロの火を止めてこちらに来た。
ビクッと肩が震える。
先生は、睦月君のおでこをくっつけてきた。

「熱が下がったようだな。
お粥を作ったから朝は、それを食べろ。
小野木もご飯作ったから食べろ」

「えっ……ありがとうございます」

私の分まで作ってくれたようだ。
申し訳ないと思いつつテーブルに着くと
美味しそうな朝食が並ぶ。
睦月君には、お粥が作ってあった。