私は、自分の気持ちを勇気出して話した。
驚くかと思ったら意外にも驚かなかった。
何故だろう?と思ったら私の気持ちを聞いた祖母が
その前に母に話しておいてくれたらしい。
そして子供の意見を尊重しなさいと言ってくれたらしい。
だから母は、父と話し合い残ってもいいと言ってくれた。
ただ手続きや荷物の整理などがあるから
それまでは、戻って来なさいと告げられたが……。
少しの間戻ることになっても、また岐阜に来れる
祖母や翔馬君達と一緒に過ごせると分かると嬉しかった。
やっと……また来れる!!
すぐにでも翔馬君に教えたくなったが
時間を考えると明日にすることにした。
その日は、何だか興奮して寝れなくなるほど
私の心は、胸踊るような気持ちだった。
そして翌日になると行きたい気持ちを押さえて
私は、朝食を食べると早々とショコラに向かった。
もちろん、時間が早すぎるため誰も居ない。
仕方がなく近くのマックで時間を潰すことにした。
しばらく待っていると翔馬君の叔父さんの美紀子さんが
現れたので私は、挨拶と報告をした。
「そうだったの。良かったじゃない」
「はい。あの……その時は、またショコラで
バイトさせてもらえないでしょうか?」
「そんなの全然OKよ!
逆に、こちらの方が助かっちゃうわ」
美紀子さんは、大変喜んでくれて
夏休みが終わっても引き続きバイトを
させてもらえることになった。
嬉しい……また変わらずにバイトが出来る。
「翔馬君にも教えてあげないとね」
「は、はい。私が言います……」
翔馬君どんな顔をするかな?
彼の嬉しそうな笑顔を想像するだけでも
こちらが嬉しくなる。早く言いたくなってしまった。
翔馬君に……まだかな?まだかな?
私は、そわそわしながら翔馬君を来るのを待っていた。
「菜乃ちゃん。今日あの子。午前中は、
車椅子バスケがあるから午後からよ?
そんなに待ってもまだ来ないわよ」
「あっ……そうだった」
うっかり忘れていた。翔馬君は、車椅子バスケの
チームに入っているなら午前中の時もあるんだった。
ガーンとショックを受けるがそれは仕方がない。
私は、午後になるまで我慢してケーキ作りを手伝った。
お昼頃になると翔馬君が来た。