しばらく乗っていると大きな建物が見えてくる。
日曜だから凄い人混みで駐車場は、いっぱいだった。
警備の人が誘導してもらい何とか私達は、
途中で降ろしてもらった。
「じゃあお母さんは、行くけど帰る頃に電話して。
菜乃ちゃん。息子のことお願いしますね」
「あ、はい。お任せ下さい」
私は、慌てて返事した。
車を遠くまで見送って後に行こうと振り向くと
翔馬君が複雑そうな表情をしていた。
どうしたのかな?と思っていると翔馬君がボソッと
「なぁ?今のってまるで
俺……ガキ扱いしてないか?」
「えっ……そう?」
「まぁ、いいや。それより菜乃。車椅子を押して。
早く行かないと上演時間が来てしまう」
翔馬君は、私に車椅子を押すように言ってきた。
実は、私もちょっとそう思いました。
でも言わないでおこう。気にするから……。
それよりも早くしないと観たい映画が始まってしまう。
「押すから翔馬君。案内してよ?
私、初めてなんだから」
「分かってるって。早く、早く」
だから早くしろと急かしてくる翔馬君を無視して
私は、車椅子を押した。イオンの中に入って行くと
まず見えたのは、家電売り場だった。
たくさんの電化製品や近くにオモチャ売り場もあった。
「菜乃。そのまま進んで売り場から出て」
「う、うん。」
私は、車椅子を押しながら家電売り場を通り抜けていく。
最新型の掃除機やスマホに冷蔵庫などなど。
大きな液晶テレビなどもあった。あ、あのスマホ。
いいなぁ……新しいのだ。
思わず目移りしてしまうのが売り場の凄いところだ。
家電売り場を通り抜けるとイオンの中は、
縦に広い造りになっていた。