翔馬君は、楽しそうに観たい映画のことを話してくれた。
楽しみにしてくれているのが分かり嬉しくなった。
服……何を着ていこうかな?
そういう私も楽しみなんだけど……。
2人で話していると美紀子さんにバイト中だと
叱られたが。お互いに顔を見合わせてまた笑った。
あぁ、早くデートの日にならないかなと私は、心待した。
そして待ちに待ったデートの日を迎えた。
この日のために服を選んで待ち合わせ場所で待っていた。
服装は、白い服にピンクのギンガムチェックの
可愛らしいミニスカートにしてみた。
すると1台の白いワゴン車が停まった。
もしかしたらと見てみると翔馬君と翔馬君のお母さんが
乗っていた。窓が開くと翔馬君は、ニカッと笑った。
「菜乃。おはよう。
回って俺の隣に乗れよ!」
「う、うん。おはよう……翔馬君」
挨拶をすると慌てて後部座席の方に乗ることにした。
何だかドキドキしてしまう。
前の運転席が翔馬君のお母さんが運転している。
この前のことがあるから余計に緊張してきた。
「あの……おはようございます。
今日は、よろしくお願いします」
「おはよう。菜乃ちゃん。
シートベルトしてね?動くから」
「は、はい。」
私を見るとニコッと笑いかけてくれた。
良かった……笑顔で笑ってくれた。
ホッとしながらシートベルトをするとチラッと
翔馬君を見るとクスクスと笑っていた。
「菜乃。緊張し過ぎ……」
「そ、そんなことないもん。もう翔馬君ったら」
もう翔馬君ったら本当のこと言わないでよ!
翔馬君のお母さんが聞いているのに……。
緊張しているのがバレたら変な誤解をされちゃう。
そうではなくても……気まずいのに。
ムスッと頬を膨らませて怒ると
またからかうように笑っていた。また笑うし!?
私は、また頬を膨らませて怒った。
その間にも車を走らせてイオンまで送ってもらう。