翔馬君は、私に告白をしてくれた。
真っ直ぐ前を見て言ってくれた。
手からも伝わってくる想い。
私は、ドキドキしてとても嬉しかった。

「……う、うん。」

頷くことしか出来なかった。
頬や身体が熱くなるのが自分でも分かった。
涙まで溢れて止まらない……。嬉しい。

「泣くなよ……菜乃」

「だって……嬉しくて」

翔馬君も同じ想いだった。
叔父さんの言った通りやる前から諦めたくない。
後悔するならやった時にしたい。
ううん……後悔なんてしたくないと思った。
すると少し照れくさそうにしていた翔馬君は、
手を握ったまま

「あ、そうだ。菜乃。俺が退院したら
何処か遊びに行こうぜ?」と
そう言って私を遊びに行かないかと誘ってきた。

「遊びに行く……?」

「そう。菜乃にまだ各務原とか案内してないだろう?
俺が案内してやるよ。前にも言っただろ?」

あ、確かに。そんなことを言っていたわ。
えっ?でも、それって……デートでは?
私は、ハッと気づくと恥ずかしくなった。
デートなんて生まれて初めてだ。

「それって……2人で?」

「えっ……そりゃあ、そうだろう。
行き帰りは、もしかした乗せてもらうかもしれないけど
で、デートだし」

恥ずかしさが伝わったのか翔馬君まで耳まで
赤くなってしまった。やっぱりデートなんだ。
両思いになったのだから当たり前だけど
意識すると何だか照れくさい。
お互いに意識をしてしまい無言になってしまった。
心臓がドキドキと高鳴っていた。

しばらく照れくさそうにしながらも一緒に居たが
バイトもあるし美紀子さん達が心配するので帰ることに。
翔馬君に手を振りながらドアを閉めると
そこに翔馬君のお母さんが居た。
私は、驚いてビクッと肩を震わしてしまった。
ど、どうしよう。あ、挨拶しなくちゃあ……。