選手は、全員車椅子なのに年齢もバラバラで
強そうだった。あの人なんて腕とかムキムキだった。
翔馬君は、何処に居るのかしら?

私は、キョロキョロと捜すと……居た!!
涼太君と一緒に居た。楽しそうに話をしている。
近くに居るのは、同じメンバーだろう。
ジャージが同じだ。

「おーい。祐一郎!!」

「あ、居た。菜乃ちゃん。こっちこっち」

えっ……?
翔馬君の叔父さんに言われて私は、観客席を見た。
すると叔父さんぐらいの年齢の夫婦と2組と
涼太のお兄さんが居た。

「菜乃ちゃん。おはよう」

「お、おはようございます……」

だとしたら家族の方かな?
そう思うと恥ずかしくなってきた。
下を向いて挨拶をすると美紀子さんが

「菜乃ちゃん。あちらの夫婦が翔馬君の両親よ。
で、隣の夫婦が涼太君と圭一君のご両親。
お義姉さん。お義兄さん。
この子が翔馬君の彼女候補の子よ!」

私を彼女候補だと自己紹介してきた。
えぇっ!?候補だなんて……美紀子さん!!
やはり翔馬君のご両親だった。
私は、動揺しながらオロオロとしていた。
すると翔馬君のお母さんが私を見てニコッと笑ってきた。

「まぁ、あなたが菜乃ちゃん?
弟から聞いていたのよ。
可愛らしい女の子が翔馬と仲がいいって」

「えっ……あ、あの。松嶋菜乃です。
よろしくお、お願いします」

慌てて頭を下げて挨拶した。
ど、どうしよう……まだ心の準備が。
変な態度や発言をして失望されたら嫌だし

「フフッ……ちょっと口が悪いけど
これからも息子と仲良くしてくれると嬉しいわ」

「あ、はい。あ、えっと……息子さんは、
とても素敵だと思います」