昼食にショッピングモールの敷地内にある広場で、今朝作ってきたお弁当を食べた後、私は猫賀御くんの家へ案内された。



♢♢♢♢♢


「………わぁ、素敵なお家だね」



 その家は西洋風の造りで、よく手入れのされた庭には美しい秋薔薇が咲いていた。


〈玄関〉と日本語で言うより〈エントランス〉という呼び方が似合うような場所から奥にあるリビングルームへ通され、私はソファーへ座るように促された。


「いつもならお茶をいれてくれる奴がいるんだけど、今日は留守なので。
少し待っててください、何か持ってきますね」


「ぁ、いいよ。そんなに喉乾いてないし。その「お茶をいれてくれるやつ」が猫賀御くんと暮らしてる人?」


───確か私と同じで二人暮らしと言ってた……。


「ええ、そうです。昔から猫賀御家に仕えてくれている者なんです。家事全般を任せてます」


「………へぇ」


 お手伝いさんと二人暮らしなのか………。


「いろいろ事情がありまして一緒には暮らしてないけど、両親は仲も良く健在です」


 猫賀御くんが私の横に腰を下ろした。


「何から話そうかな………」


 猫賀御くんはしばらく思案顔だった。


「美羽先輩を驚かせてしまうと思うけど」


「───大丈夫。私、自分の力のことでもう充分驚いてるから。心の準備はできてるよ」


 大きく深呼吸してみる私を見て、猫賀御くんは安心したように笑って言った。



「俺の一族「猫賀御」の先祖は人間じゃないんだ」