「もうじゃあ、どうする気ですか?
城の者達は、皆心配をしていますよ」
「なら、いつものようにお前が護衛として
来ればいいのではないか?
そのための女騎士だろう!?」
もし何か遭った後だと申し訳がたたないのに
なっ?こんな時だけ騎士を主張するなんて……。
そんな風に言われたら断る理由が思い付かない。
「分かりましたよ……同行させて下さい」
どのみち嫌だと言っても一緒に
ついて行くつもりだったけど……。
呆れてため息を吐いた。すると陛下は、
私を見てニヤリと笑ってきた。
「良かった。アイリスに似合いそうな衣装を
探そうと思っていたんだ。
サイズは、全て把握しているけど、やっぱり
本人に合わせてみないとさ」
はぁっ?まさか私が追って来ると思って
わざとそういう風に仕向けたの!?
陛下の策略に驚いてしまった。
「踊り子の衣装ないかなぁ~セクシーなの」
いりませんから。踊り子の衣装って何よ……。
しかし陛下は、鼻唄を歌いながら
馬の結んでいたヒモをほどいていた。
買う前に止めないと何の衣装を着せられるか
分かったものじゃない。
計算高い陛下にハァッ……とため息を吐いた。
仕方がなく私も子猫を抱きかかえたまま馬に乗った。
街まで下りると馬を預けて
街中を歩くことにしたのだが相変わらず賑わっていた。
たくさんのお店が並び色んな種類の商品や
食べ物があった。
人も買い付けに来る人や民の人だかりで
活気づいていた。
「久しぶりに来ますけど、相変わらず
凄い賑わいですね。ルチア様。
どちらから見て回るのですか?」
「とにかく動物を診てくれる医師を捜そう。
子猫が怪我をしているからな」
「はい。そうですね!」
確かに。ぐったりしている子猫を先に
診てもらう方が先だ。さすが国王陛下だわ。
お優しい。私は、感心する。
そして人に聞いて近くにある動物病院に向かった。
獣医に子猫を診てもらうことに。
「この子は、運がいい。鳥に噛まれた痕や
擦りむいた痕は、たくさんあるが骨は、
折れていないようだ!
手当てをしておけば、数日で元気になるだろう」