「何処って街に行くのだが」
「街に行くではありません。
どうして毎回、徘徊みたいなことされるのですか!?
街に行く時は、私達に言って下さい」
「言ったら許してくれないだろう。
それに徘徊ってなんだ。人を痴呆症みたいに」
私の小言に対してそう言ってきた。
全く変わらないでしょーが!!
いや。むしろあなたの方が厄介ですから
「とにかくあなたは、国王陛下なのですから
勝手な行動は、困ります。分かったら帰りますよ」
放っておくと何処に行ってしまうか
分かったものではない。そうではなくても国王陛下は、
自由奔放で周りに迷惑をかけているのに。
「えっ~嫌だ。街でショッピングに行って
お洒落なお店でパンケーキが食べたい」
国王陛下が、帰りたくないと駄々をごねだした。
帰りたくないじゃない!!
それよりもショッピングにパンケーキって
あんたは、女子かい!?
「ショッピングは、職人を呼んで
いつものように作らせたらいいではないですか。
パンケーキは、コックに作ってもらえばいいし」
「アイリス。お前は、分かっていないなぁ……。
ショッピングは、出掛けるから楽しいのでないか。
パンケーキもお店で食べるから美味しいし
お喋りしたり、日頃の愚痴を言いたい」
だから、あんたは女子かい!!
心の中で何度もそうツッコミを入れた。
「ならせめて、一度お城に戻り他の護衛と
一緒に来られたらいいのでは?視察として」
「えっ~それだとお忍びの意味がないじゃん。
俺、堅苦しいの嫌い」
もう。この男は、あー言えばこう言う。
自由奔放でワガママな国王に呆れてしまう。
しかしいくらワガママでも安全のためには、
許す訳にはいかないし……。