するとそれを聞いたリュウ様は、クスッと笑うと
「それに……それを言うなら彼女は、
ギルスの人間でもあるんじゃないかな?
半分は……」と言ってきた。

えっ……?

「どういう意味だ!?それは……」

「君の叔母様でアイリスの母親は、ギルスの男と
恋に落ちてアイリスを産んだ。
その男は、俺の叔父だからだよ!」

えぇっー!?
リュウ様から衝撃的な一言を言ってきた。
リュウ様の叔父って……あのヒルストン公爵の!?

「どういうことだ?それは……」

影近もその言葉に反応する。
するとリュウ様は、1枚の写真らしきモノを
見せてきた。

「ルチアから東洋の事について聞かれたとき
叔父の事を思い出したんだ。
俺の叔父は、昔恋仲だった人と離れ離れになったと
聞いていた。残念ながら叔父は、
1人のまま病で亡くなったけど、その際に
1枚の写真を遺していた。何となく似てるとは、
思わないかい?アイリスに……」

リュウ様は、そう言うとニヤリと笑った。
視力のいい私には、ハッキリとその写真が見えた。
確かに私に似ている……。見間違えるほどに。
それにつけているペンダントは、私の持っている
赤い石のと瓜二つだった。
じゃあ、リュウ様の叔父が私の本当の……お父様!?

「あれは……紅葉叔母様!?」

影近も震えるほど驚いていた。
どうやら間違いないようだ。だが、今がチャンスだ!
私は、隙を見て影近の腹をひじで攻撃をすると
木から飛び降りた。

「くっ……貴様……」

「アイリス!?」

痛がる影近を余所に私は、慌てて陛下のところに
駆け寄る。陛下も馬から降りると
私を抱き締めてくれた。