「あぁ……これ。
ルチア様が用意をしてくれたの」
「えっ?ルチア様!?
凄いじゃない。綺麗よ……アイリス」
サラが綺麗だと褒めてくれた。
恥ずかしいけど、そう言われ照れていると
それが気に入らないのかエイリオは、
「はぁっ?そんなキラキラしたの何処がいいんだよ。
大体お前は、騎士だろ。
騎士としてのプライドとかねぇーのかよ?
国王陛下にいいように遊ばれているだけじゃん」
不機嫌そうにそう言ってきた。
騎士としてのプライド……。
別に騎士としてのプライドを捨てた訳ではないが
その言葉にズキッと心が痛んだ。
「ぷ……プライドぐらいあるわよ!!それに
ちゃんと太もものところに短剣をしまってあるし」
「はぁっ?ドレスじゃあ、足元がおぼつかなくて
躓くだけじゃん。大体お前は、サルなんだから
ドレスなんか似合うかよ!」
さ、サルですって……!?
エイリオに言われて腹が立った。
昔から人の事をサル、サルって……失礼しちゃう。
「もういいわよ。ルチア様は、私1人で守るから」
「アイリス!?」
サラが慌てて止めてくれたが私は、無視して
室内に入った。もちろん着替えるためだ。
せっかく素敵なドレスを作ってくれたが
私は、騎士。ドレスなんて必要ない。
涙が溢れそうになりながら長い廊下を移動していると
何処からか大臣達の話し声が聞こえてきた。
私は、気になりその話を盗み聞きしてしまう。
「しかしルチア様には、困った者ですな。
大切な花嫁選びにして頂こうとしているのに
メイドなんかに現を抜かして」
えっ……花嫁選び!?
「まったくですよ。ルチア様も23になられたのだから
少しは、落ち着いてほしいものだ。
それよりも、何人来ているんだ?各国々の
ご息女達は……?」
「ざっと300人ぐらいか?
我々ギルス大国の妃になるのだ。
各国々の姫君達からしたら喉から手が出るほど
欲しい名誉だろう。なんとしてでも今回のパーティーで
ルチア様に花嫁候補を決めて頂かないと」