「あの……どうして私のために
そこまでして、ドレスを作ってくれるのですか?」
「母が言っていたんだ。いつか好きな子が出来たら
その子のためにドレスを作ってやりなさいって」
女王陛下が!?うん?ちょっと……待て待て。
何処からツッコむか悩んでしまう。
陛下のお母様……女王陛下が自分の子供に
色々と教えてあげるのはいい。しかし相手は、
国王陛下よ!?
何故ドレスの作り方を教えているの?
それって国王になるためには、必要のない事でしょう?
えっ?もしかして陛下と同様に少しズレた方だったの?
女王陛下って……。
いや、それよりも陛下が今、好き人って。
私のドレスだから陛下の好きな女性って
もしかして私……?
色々と頭の中でツッコんで行くと
身体から火が出そうになるぐらい恥ずかしくなってきた。
もし……そうなら私は、陛下と両想いってことになる。
心臓がドキドキと高鳴ってしまう。
ま、まさか……そんな訳が……。
「どうした?アイリス。
耳まで真っ赤になっているぞ?」
「あ、いや。何でもありません」
私は、慌てて横を向いた。
恥ずかしくて顔が見えなくなってしまう。
もう変なこと言うから……。
ドキドキが止まらない。
「それよりアイリス。もう遅いから先に寝た方がいい。
ダンスの練習で疲れているだろう?」
「いえ……私は、まだまだ大丈夫です」
国王陛下の気遣いは、とても嬉しいが
やはりボディガードとしてお守りしなくては。
すると国王陛下は、苦笑いすると
私にそばに来るように手招きをしてきた。
えっ?不思議に思いながらそばに行くと
ふわっとひざ掛けにしていた大きめの毛布を
肩に掛けてくれた。
「これを掛けて隣に座るといい。
隣なら寝ていても問題ないだろう」
「ルチア様……」