「本当ですか!?」

ぐったりしていたし心配をしていたのだが
無事だと聞いて胸を撫で下ろした。
良かった……。

「ルチア様。子猫は、無事だったみたいですよ」

私は、国王陛下に話しかけた。だがしかし
何処にも居なかった。えっ?あれ!?
さっきまで隣で子猫の治療を見ていたはずなのに。

「ちょっ……ルチア様!?
何処に居るのですか?ルチア様」

私は、慌てて陛下を捜した。
まさか、居なくなるなんて。まったく。
あの陛下ったら……。
目を離すとすぐに何処かに行っちゃうのだから。
動物病院から出て近くを捜すとすぐに見つかった。
だが、しかし。

「それで旦那さんの浮気で離婚をしたんですって」

「へぇ~人は、見かけによらないって本当なんだな」

「ねぇ~本当、本当」

ちょっと陛下!?
何、普通に主婦の井戸端会議に参加しているのよ!?
国王陛下が主婦の人達と集まり世間話をしていた。
普通ではありえない行動でも陛下は、
すんなりと入って行ってしまう。
私は、慌てて陛下のところに向かった。

「ちょっとルチア様。
勝手に何処かに行かないで下さいよ!!」

「あ、アイリス。丁度良かった。
ほら今、美味しそうなリンゴを頂いたんだ!」

そう言うと私にリンゴが入った袋を見せてきた。
見せてきたリンゴは、確かに真っ赤に染まっていて
美味しそうだった。

「確かに美味しそうなリンゴですね。
ちゃんとお礼を言いました?」