「まどか。もう少し待ってて」
「は、はい。」
彼女に声をかけた。
早くお茶をしたいが、そういう訳にはいかない。
きちんと挨拶とお礼を伝えなくては……。
まどかは、頬を赤くなりながら返事してくれた。
ドキドキするのが伝わってくるから
俺も照れてしまいそうだ。
しばらくして挨拶が終わると彼女の所に行く。だが
「茶道をするなら私も行きたいですわ。
龍心お兄様の点てる抹茶は、とても美味しいから
私好きですわ」と
麻白は、お構い無しに引っ付いてきた。
「麻白。今日は…」
「あら、茶道するだけなのに
2人ではないと何かまずいのかしら?
私は、龍心お兄様の抹茶が飲みたいですわ」
絶対に行くと言い張る。
弱ったなぁ……。
せっかく2人でお茶を楽しみたかったのに。
「麻白…」
「まどかさんもよろしいかしら?
これも何かの縁…私もまどかさんと
もっと話をして仲良くなりたいですわ」
俺の言葉を聞かずに彼女に言ってきた。
どうしても2人きりにさせたくないようだ。
何とか断る方法は……。
「……そうですね。
これも何かの縁なのかも知れませんし」
彼女は、断る所か受け入れてしまった。
そんな風に言われると余計に断りにくい。
まどか……いいのか?
俺の方が動揺してしまう。
「ほら、まどかさんもそう言ってくれていますわ。
お優しい方で良かったですわ」
麻白は、ニコニコと笑顔で言ってきた。
わざとだな……。
ダメだ……断らないと君は傷ついてしまう。
しかし俺が何を言っても聞く耳を持たない。