「あぁ、悪いな。迷惑をかけて
もう1つ迷惑ついでに頼まれてくれないか?」
「は、はい。私が出来る範囲なら任せて下さい」
静かに起き上がると彼女にお願いしてみた。
聞き入れてくれるが、どうやら俺のして欲しいことは、
分かってないようだが。
さっそく甘えてみることにした。
「ありがとう」
「あの……本当に、これでいいのですか?」
「いや、これで十分。
横になりやすくて助かるよ」
飲み物をおでこに当てながら言う。
俺は、彼女に膝枕をお願いした。
これなら寝やすくぬくもりが伝わりやすい。
彼女のぬくもりは、恥ずかしくもあるが
とてもホッとした。一度してもらいたかった。
「それより…ゆいかちゃんと和解が出来て良かったな。
彼女も無事に満足して成仏してくれた」
「はい。これもすべて課長のお陰です。
なんてお礼を言ったらいいのか…」
「可愛い部下のために
当たり前の事をしたまでだ。
しかしそれは、今日までの話だ」
俺は、そうボソッと呟いた。
もうゆいかちゃんはいない。つまり
子供の見ている前だからと言って遠慮しなくてもいい。
キスだって…。
するとムクッと起き上がった。まどかの顔を見つめる。
「さすがに小さい子供が見ている前で
変な事は出来ないからね。
これからは、気にしなくても済むね」
「課長…あの……どういう意味でしようか?」
意味が分からずに彼女は、きょとんとしていた。
そんな彼女に近づいていく。
距離は、キスが出来るぐらいに近い。
しかし……まだ早い。
「なんてね。さて、いつまでも
こんな事をしていたら家族の人が心配するから帰ろう」