俺は、頭を下げて玄関まて歩こうとした。
だが一瞬目眩がして身体がふらついた。
くっ……我慢だ!
何とか踏ん張り食い止めた。

「課長、本当に大丈夫ですか?
もう少し休んでいかれた方がいいのでは?」

「大丈夫だよ。これぐらいなら」

ニコッと笑顔を見せる。
今倒れたら心配や迷惑をかけてしまう。
それだけは避けないと……。

玄関まで送ってもらうとまどかの自宅を後にした。
このまま帰れればいいけどなかなか
それも難しそうだ。立ち止まり荒い息を整えた。
何とか家まで帰らないと…そう思っていると

「課長!!」

すると聞き慣れた声が聞こえてきた。
振り返ると、まとかが追いかけてくれた。
まどか……!?

「まどか。どうして…あぁ、そうか。
心配してくれたんだな?」

「は、はい。やはりご気分が悪いのでは……?」

「いや、大丈夫…と言っても
信じてくれないだろうね。こんな状態では。
そうだな。正直に話すとギリギリだ。まどか。
悪いがちょっと付き合ってくれないか?」

苦笑いしながら言った。
大丈夫だと言っても信じてくれないだろう。
それに…疲れているせいか誰かに甘えたかった。

「はい。お供します!」

彼女は、即答してきた。
俺は、そんなまどかに苦笑いする。
そして、近くにあった公園に行くことにする。

電灯近くのベンチに座ると彼女は、冷たい飲み物を
買いに行ってくれた。
その間俺は、苦しそうに横になっていた。

「課長。お待たせしました。
冷たい飲み物を買って来ました。飲めますか?」